航空機エンジンのタービンディスクやシャフトなど耐熱合金部品を切削加工する工具。インコネルなどの耐熱合金は熱伝導率が低い、高温強度と加工硬化が大きい、工具材料との親和性(溶着性)が高いなど切削が難しい材料だ。
特殊な炭化物と化学的安定性に優れる酸化物とを超微細、均質に複合化するなどし、硬度、熱伝導性などを向上させた。
粗加工と中仕上げ加工に用いる「JX1」(写真上)は優れた耐摩耗性能、耐欠損性能を持ち、従来製品比2倍の切削速度を実現。仕上げ加工に用いる「JP2」(写真下)は優れた耐摩耗性、耐溶着性能を持ち、中仕上げ加工では同4倍を実現した。また、両製品とも、工具寿命を4倍に延ばせる。
長寿命化により、チップ交換、段取り回数低減による設備停止時間の削減、作業者が多くの設備を稼働できることによる加工費低減が見込める。米国などの大手エンジンメーカーで採用実績が出始めている。