太平洋工業はUACJと共同開発した摩擦攪拌で異なる板厚のアルミニウム材をつなぎ合わせるテーラードブランク工法を用いた自動車用ボディー部品を製品化した。フードを構成する補強部品で、板材を一体構造化した上でプレス成形する。
製品全域での結合となり、接合強度が高い。カシメによる部分的結合に比べ、接合強度と材料の歩留まり向上を図った。従来結合法と比べ、部品点数を削減。軽量化と20%のコスト低減を実現した。
一般的な回転ツールを用いた摩擦攪拌では溶けたアルミが板材に飛び散りバリが発生するため、加工後にバリ処理が必要となる課題があった。同社は流体化した材料の挙動を解析することで、飛び散りを抑えるツールの先端形状を見いだした。
これを基に開発した専用ツールにより、バリ発生を抑えつつ、加工速度を毎分2mと、一般ツールの2倍に向上。大幅な原価低減を達成した。同製品は2015年にトヨタ自動車が発売した「レクサスRX」に搭載されている。