パワー半導体は直流の電気を交流に換える「インバーター」などに使われ、電気自動車やエアコン、太陽電池などの製品に採用が広がる。しかし高温環境下で大きな電力負荷がかかるため、耐熱性や耐久性も必要だ。
ノリタケカンパニーリミテドの「金属セラミック基板」は、マイナス40-プラス250度Cの範囲内で1000サイクルの温度変化に耐えられる新型の基板。炭化ケイ素(SiC)の基板に、新開発の銅ペーストを塗布してつくる。
銅箔を使う従来型の基板と比べ、銅の熱膨張率を従来比3分の2以下に抑え、基板との熱膨張率の差を縮めた。これにより銅の剥離が生じにくくなった。また500度C以下で銅層を形成する技術も確立。従来は約1000度Cの高温下で銅層を作るが、新型基板は低温で銅を形成するためコストダウンにつながる。
基板の厚さも任意に調整でき、実装部品の大きさに関わらず高さを一定に保つことが可能。高温環境下での半導体使用が増えると予測される中、SiC製部品への搭載拡大を目指す。
「2014年
モノづくり部品大賞」電気・電子部品賞を頂戴し、大変光栄に存じます。今回の「パワー半導体デバイス用金属セラミック基板」は、当社が食器やセラミック回路基板を通じて培った材料・焼成技術を発展させたものです。
パワー半導体は、省エネルギーを実現する電力変換技術として期待されています。今回開発した基板は熱サイクル耐久特性が高く、従来品を上回る高温・大電流への対応を可能にすることで、省エネルギー化や低炭素化社会に貢献します。
今回の受賞を励みに今後もお客さまに喜んで頂ける部材を開発し、社会に貢献するモノづくりに取り組んでまいります。