河西工業は補強材を含まない樹脂「ノンフィラーポリプロピレン(PP)」を使った射出発泡成形技術を開発し、自動車ドアの内装トリム部品で従来の非発泡成形品と比べ18%の軽量化や同等の傷つきにくさを実現した。
発泡剤を混合したPPを射出する前に、金型内を高圧の空気で満たして発泡を抑える工法を採用。金型と接する外層を固めた後、型を少し開いて内層を発泡させて板厚を向上する。従来は射出と同時に発泡し、製品表面に発泡跡が残り外観不良が発生。仕上げに塗装が必要だったが、無塗装で非発泡成形品と同等の外観を実現した。
一方、同工法では高圧の空気が樹脂と金型表面に巻き込まれ、製品表面に凹凸が残る「ゆず肌」が発生。PP材の改良や空気注入のタイミングなど成形工程の最適化により凹凸の発生を抑えた。従来は補強材によりゆず肌発生を抑制していたが、耐傷付き性の低下などを招いていた。同技術は低コスト化も実現しており、すでに内装トリム部品が日産自動車に採用されている。