太平洋工業の製品はプラグインハイブリッド車(PHV)のエンジンと、トランスアクスル連結部に使用されているワンウェイクラッチがかみ合う部品だ。開発ではトルク強度を満たしつつ、スペース制約の克服を求められた。今回、高張力鋼板(ハイテン)を使用し、自社の鍛造技術を組み合わせることで、高強度・軽量化を達成。外形約380mm、スプライン(歯形)部直径144mmの大物の一体成形を実現した。
具体的には、スプライン部を鍛造で成形し加工硬化を図った。ハイテンは形状が安定しないため、クラッチとのガタツキを小さくするべく製品のうねりを分析し、変曲点を効果的に鍛造することで精度を確保した。一体成形で後加工も少なくでき、低価格化につなげた。