製品概要
新型インフルエンザウイルス、黄色ブドウ球菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などに99.9%の除菌効果がある超抗菌マスク用銅布フィルター。
ポリエステルの糸に直径29.5μm(μは100万分の1)の銅繊維をより合わせた糸を、タテ糸とヨコ糸に用い二重に織り込み布状のフィルターにした。銅イオンや、繊維が交差することで生じる微量の電流などにより除菌できる。ウイルスや菌のほか、花粉やハウスダストにも効果的だという。 フィルターを不織布のポケットに入れ、マスクの内側に張り使用する。市販されているさまざまなマスクに装着可能。洗って繰り返し使えるため経済的で、約6カ月間使用できる。今回の銅布は新潟県の中小企業3社の異業種連携で開発した。 Voice コデラカプロン社長 古寺 保治氏
健康・医療機器部品賞という素晴らしい賞をいただいたことで、堂々と製品をお客さまに紹介でき、今後の販売活動で大きな励みになります。今回の受賞に関して、取引先などからお祝いの言葉を頂いたのに加え、別の部門で受賞された企業からは祝電までいただき、感謝しています。
この超抗菌マスク用銅布フィルターを、子どもから大人まであらゆる方々に使って頂くことで、病気の予防に貢献していきたいと考えています。また、院内感染を引き起こすメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)も除菌できることから、医療関係にも積極的に提案していきたいと考えています。 |
製品概要
気管支ぜんそくや慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の気道病変の診察補助、経過観察に用いる。さまざまな方向に走る肺内の気道を中枢から末梢まで一直線に描出し、その長軸方向に対し垂直な気道断面像などを解析できる。分岐を3次元上でカラー表示可能。気管支や内腔面積、壁面積、壁面積比などの測定や、肺全体の容積に対する低吸収閾値容積の比率として肺気腫の程度を評価することも可能だ。
汎用のハードウエアでも使用可能で、サーバ側でデータの一元管理ができるなど、イニシャルコストからランニングコストまでを総合的に抑えられる。データベース機能により治療の度合いを確認しながら診断でき、人体への接触がないため、患者への負担が少ない。 Voice AZE社長 畦元 将吾氏
こうしたコンテストに応募するのは初めてで、受賞をうれしく思います。社内の活性化やモチベーションアップに結びつけば良いと思っています。日本だけでもCOPDで年間1万5000人が亡くなっていて、対策が望まれている分野です。徐々に製品の知名度は上がっており、手応えを感じます。ユーザーの声をもとにイメージをふくらませ、さらに開発を進める予定です。現在、北海道大学やハーバード大学と共同研究に取り組んでおり、精度を向上してより正確な診断に役立てたいと考えています。操作性を高め、大学病院だけではなく診療所などでも導入しやすくする方針です。 |
生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が国内開催された2010年、これまで機械、電気・電子、環境関連部品から選ばれていた モノづくり部品大賞のグランプリが、私が選考にかかわった健康・医療機器分野から選出された。ライフサイエンスのみならず、生物資源の知的、持続的利用の観点からもバイオテクノロジーが世界的に注目され、ゲノム、プロテオーム、メタボローム解析などの新たな生命分析技術が台頭し、モノづくりの世界でも、生物模倣工学などがさまざまに実用化され始めた。今回の顕彰は、時代の潮流を占う、モノづくりの新たなホットスポットとしてとらえることができるかも知れない。 大賞を受賞したのは東芝の「電流検出型DNAチップ」である。従来の蛍光検出方式は、信頼性、簡便性、コスト性などで多くの課題を抱えていたのに対し、同社は電子デバイスに基づくまったく新規の検出技術を開発した。個人のゲノム情報に基づくテーラーメード医療に期待が集まるなか、日本がこれまで蓄積してきた人工物技術と生命研究を融合させた画期的な成果として高く評価することができる。
部品賞を受賞した2件についても、同じ可能性がたたえられている。二重織りした銅布の電位のバリアーで、銅イオン抗菌、接触殺菌、電位殺菌のトリプル効果を形にした「超抗菌マスク用銅布フィルター(DMFP‐05)」は、町工場的なローテク熟練技能と細菌研究の、そして「3D気道解析ソフトウェア」も、情報技術と生体研究の、優れた融合の成果である。 人工物技術と生物技術の融合。それは、新たな日本のモノづくりの光源かも知れない。