電気・電子分野では、時代の要請に応えて省資源や省エネルギー、エコ技術に関連した優れた応募部品が多かった。東芝テックの「消せるLoopsトナーと低温定着器ユニット」が「大賞」に輝いた。従来の印刷複合機を対象とした環境評価によれば、機械本体の生産や使用による環境負荷より紙の生産や消費に伴う負荷の方が大きい。当該部品は複合機の機能を向上させつつ環境性能を飛躍的に改善するイノベーションを実現しており、省エネ・エコ社会への貢献が期待される。
「電気・電子部品賞」には5件を選出した。
アルプス電気の「小型地磁気センサ『HSCDシリーズ』ワイドダイナミックレンジタイプ」は、高度な半導体技術を、プロセス技術により制御ICのチップサイズを小型化し、センサー素子と制御ICを超小型LGA(ランドグリッドアレイ)パッケージに実装した結果、体積で95%、電流も90%のダウンを実現している。
TDKの「絶縁型双方向DC-DCコンバータ『EZA2500』」は従来、昇圧用と降圧用と2台必要としたDC-DCコンバーターを1台で実現し、高速で高効率な昇降圧双方の電圧変換を可能としている。
フジキンの「フローレシオコントローラ(FRC)」は、従来のマスフローコントローラーに代わり、減圧プロセスにおける半導体製造装置の中で数多く使用される同社製圧力制御式流量コントローラーによって制御したガスを高精度に分流するユニットを開発、半導体製造プロセスの信頼性などの向上に貢献する。
パナソニックの「超高密度 部品縦埋め基板を用いた『BGA電流プローブ』」は、超大規模・多ピンの半導体集積回路における電源ピンやグラウンドピンに流れる電流をピンごとに直接測定する画期的な手法を実現した。半導体集積回路および応用システムの高安定化設計技法の一般化に多大な貢献が期待される。
岡野製作所の「マイクロハクマク圧力センサ」は、種々の真空プロセスで適切な真空環境をつくり出し、維持するための圧力・温度分布の計測が可能。水銀を使わない新規材料TaAlN薄膜を用いた地球にやさしい真空計として期待される。