製品概要
茶葉・竹をパルプ化
「CHIKU‐SA PULP(チクサパルプ)」は、今まで活用していなかった複数のバイオマスを原料とした新素材です。具体的な原料は成分抽出済みの宇治茶などの葉と竹の端材で、高速回転により粉砕してパルプ化しました。茶葉や竹の成分であるカテキンなどの効果で、抗菌性や脱臭性といった機能を備えています。
モールド成形に使用可能です。成形後にフッ素加工などを施せば防汚性も付加できます。京都大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーが進める「京都電気自動車開発プロジェクト」で10分の1サイズのモデルボディーの素材に採用され、原料を提供しました。今後はナノ(ナノは10億分の1)複合材料の原料として使用できるよう、研究を重ねます。さらにコーヒー豆やビール生成後に発生する、廃棄物の利用にも取り組みます。 |
製品概要
省エネを「見える化」
エコ型社会の確立を目指して7年前から開発に取り組んできたエネルギーシミュレーションソフト「ENEPRO21」。ソフト利用先での最も効率的な熱・流量バランスを正確にシミュレートし、使用環境に最適な省エネ・二酸化炭素削減方法を「見える化」します。大手メーカーなどのヒートポンプやボイラなど約3500基の詳細な機器特性をデータベース化し、これまでメーカーによって正確な基準が確立されていなかった各種機器の性能基準を統一しました。 |
製品概要
シールド工法低コスト
都市インフラの鉄道、道路、上下水道、共同構など地下トンネルをモグラのように掘り進んでいくシールド工法においてシールドマシン前面に取り付けるカッタービット土を削る刃を二重構造にして掘進距離を伸ばします。二つのビットを重ね合わせるように組み立ててあり、外側の1次ビットは摩耗すると自然に脱落し、内側の2次ビットが現れて切削性能を完全に回復します。同じ土質条件なら掘進距離は倍になります。
これまでビット交換は経路の途中に立て坑を設け、作業員がシールドマシン前面に降りて人力で行うのが一般的でした。ビットを自然交換して長距離掘進を実現するのは従来にない発想です。立て坑の用地確保・築造に要していた数千万‐1億円をコストダウンし、環境負荷も低減できます。 |
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床材硬度2倍に
成長が早く、軟らかい材質の北米産イエローポプラを、同社の圧密化技術で高硬度化し、それを合板と貼り合わせた構造です。体育館や学校などの床材に用いられていたスギ材の同社従来品に比べて約2倍の硬さを持ちます。女性靴のピンヒールで歩いても傷や凹みが付きにくく、商業施設などでの採用が見込めます。
高温、高圧の金属板で圧縮後、熱処理で固定化したポプラを、コスト面での折り合いを付けるため合板と貼り合わせました。貼り合わせの際の水分調整に苦労しました。 現在、自動車メーカーのショールームやホテルなどに採用実績があります。価格は従来品の約1.5倍ですが、今後は納期短縮などで販売量を増やし、同等程度まで引き下げたいといいます。さらに圧密化技術を応用し、スギ材製品の硬度も高める考えです。 |
環境関連分野で最終選考に残った部品を分類すると、アウラの「CHIKU‐SA PULP」、大成建設とIHIの「二重ビット」およびマイウッド・ツーの「超つよスギ 圧密ポプラ厚貼フローリング」の3件はA分類でしょう。
E.I.エンジニアリングの「エネルギーシミュレーションソフトENEPRO21 『Regular』」とデザイナーズギルドの「バブル90」はB分類となります。選者としては、B分類で世界展開の可能性を重視し、加えて、水資源の生産性向上に大きく貢献することから「バブル90」を大賞候補に推しました。